【監督】吉浦康裕
【声の出演】 藤井ゆきよ/岡本信彦/大畑伸太郎/ふくまつ進紗/加藤将之/安元洋貴/内田真礼/土師孝也
【公開日】2013年 11月9日
【製作】日本

【ストーリー】
学校内で孤立気味の中等部2年生エイジは、管理されたアイガ社会では珍しく教師にも反抗的な態度を示す不良っぽさのある少年。“かつて多くの罪びとが空に落ちた”と空を見上げることを忌み嫌うこの世界の慣習にも従わず、時折学生寮を抜け出しては一人“空”を見上げている。そんなある日、突然現れた“サカサマの少女”パテマ。必死にフェンスにしがみつき、今にも“空”に落ちそうな彼女を助けようとエイジがパテマの手を握った瞬間、体がふっと軽くなり二人は空に浮かびあがる。落下する恐怖に慄くパテマと、想像を超える体験に驚愕するエイジ。この奇妙な出会いは、封じられた<真逆の世界>の謎を解く禁断の事件であった・・・。
【コメント】
以前鑑賞した『イヴの時間』が個人的には好きな作品だったので、吉浦康裕監督の最新作である本作もまた結構楽しみにしておりました(確か地元では公開されてなかったので・・)。
そのイヴの時間ではアンドロイドとの交流という面白い設定を活かしていましたが、今回は『重力の逆転』というものを扱った奇妙な世界観となっていて、これがなんとも面白い映像を色々と体験させてくれましたねぇ♪

まあ最初はそれこそ『空に落ちる』というフレーズもあったのでどこか『グラビティ・デイズ』のようなものも想像してたんですけどそれとはちょっと違くて、地上で暮らしているアイガ人という人種とは別に地底で暮らしているサカサマ人という重力が真逆の人種がおり、そんな異なる重力を持つアイガ人とサカサマ人の1組の男女が様々な困難に立ち向かう青春ファンタジーのような内容になっていました。
重力が真逆なので、サカサマ人のパテマが地上に出ると足の着く場所が殆ど無く、アイガ人のエイジにしがみ付かないと奈落の底ならぬ奈落の空に真っ逆さまで、パテマ目線になるとこの恐怖が常に付き纏うからかなり怖い。逆に地底の方に降りると今度はその立場がまた逆転するので、これには観てる方も非常に不思議な感覚に捉われますね。頭がこんがらがってしまう人もいるんじゃないかとは思います。・・ただこの重力逆転を上手く活かして敵の追跡を振り払ったり、監視カメラに見つからないよう天井に張り付いてやり過ごしたりといったトラブルの切り抜け方がゲームっぽい演出に見えて個人的にはかなりツボにはまってしまった。ゲームの中にも光と影といった相反する要素を上手く利用して活路を見出していくものや、ステージが逆さまになることで普段見てたものとは全く違う雰囲気になったりするゲームなどが過去にも幾つかあったんですけども、このサカサマのパテマも正にそれをアニメーションで表現してたように見えてしまいました。

またこの重力逆転は物語の謎にも深く関わっていて、最後の意外な真実が暴露された時には自分もすっかり騙されてしまってたwパテマ達が『サカサマ人』とも呼ばれていましたし、重力も度々逆転して天地を曖昧にしていたので、それによって上手く真実から遠ざけてられていたのかも?アイガのディストピア教育も手伝ってすっかり洗脳と言うか刷り込まれていた感じもします(笑)
ですがその真実を知って驚きもした反面、不満も少~し浮かび上がったんですよねぇ。真実が判明するのはホントのホントに最後なもんですから、『え?え?どうなってんのこれ?あ、あ~っそういうこと?!』と冗談抜きで困惑して少々理解に苦しんだのも正直なトコなので、個人的には要所で『もしかして・・』と思わせるような伏線をもうちょっと多く張って欲しかったかもしれない。空を見るな語るなだとか、サカサマ人を忌み嫌ってたイザムラの意味深な言動が伏線だったのかもしれませんけども、自分はそれが真実を覆い隠すものではなく単純にサカサマ人への妬みや憎悪と言ったものにしか見えなかったので、理解するのはいささか難しかったですね。残念ながら(・・でも良く見たら、実は本作のチラシやDVDのジャケットにもなってる上記のイラストが大きなヒントにもなってる感じがしますね^^;)


まあとはいえ唯一の不満要素は個人的な範囲でありますし、そんなマイナス要素を補って余りある斬新な設定とそれを上手くアニメーションで表現した演出力諸々は高く評価したいので、本作も損は無かったといったところっ。吉浦監督の得意な手法かどうかは定かじゃありませんが、特殊な環境下にある男女の物語を今回もまた魅力的に描いていたので、次回作もあればまたこういう面白くも変わった作品を生み出して欲しいですね♪
パンフが凝り過ぎて見づれ〜!

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No title

お久しぶりです~(^-^)/

う~ん、モロに最後どんでん返し。
ってかサカサマの連続でしたね~。
画面が上下入れ替わるのも乗り物酔いしそうな映画でした。

・・・どこかラピュタに似てる感ありませんでした?

アイガ側のスナイパーのおっちゃんは助けたかったのか助けたくなかったのかあの人の感情が読めませんでした。エイジの同級生の女の子ももちっと絡んでほしかったかな。

地に足がつかない浮遊感が「どこまでも落ちていく恐怖」につながるという、
その感覚の怖さを映像で感じれたら成功ってな
作品でしたけども少し・・何を足せば満足かはうまく説明できないのですが
物足りなさが残りました・・・。

ここが物足りず?

>Agehaさん♪

ご無沙汰しております。
この作品はアイガ人とサカサマ人による重力の違いで色んなものが度々逆転してましたから、ちょっとした映像酔いも誘発しそうですしどんでん返しな真実も勘が鋭くなければまんまと騙されてしまいますよねw・・でもご指摘の物足りなさみたいなのは一理あるかも?
エイジの同級生の女の子もなんだかアイガの教育方針に疑問を感じてたように見えましたし、イザムラの腹心もエイジのオヤジを撃った負い目があるようでしたから、この2人が密に絡むだけでも大分ボリュームがアップしてたんじゃないかなとも思いますね。

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