国内を代表する著名なクリエーター達がそれぞれに独特な日本を描いていた『SHORT PEACE』は劇場作品だと4篇からなるオムニバス作品集となっていましたが、その最後を飾る5番目の作品としてゲームの方で展開されるのが本作『月極蘭子のいちばん長い日』。こちらの監督を担当したのは、日本を代表するゲームクリエーターの1人であるグラスホッパー・マニファクチュアの51さんこと須田剛一さんで、キャラクターデザインには須田さんの作品でも見掛けるコザキユースケさん。そして開発はクリスピーズの片岡陽平さんらが担当と、こちらもなかなか魅力的・・と言うか何とも異色なコラボレーションですね
しかし剛一さんが脚本も手掛けて『TOKYO JUNGLE』の片岡さんが開発だからかなり変わった作品になるだろうなと自分もある程度予想とかはしてましたけども、実際プレイしてみたらこれがまたもう変わってるどころじゃありませんでした・・


劇場4作品の方は江戸時代や近未来だったりとそれこそ様々な時代の日本が描かれていましたが、本作では現代が舞台となっており、日本中の月極駐車場を牛耳っているという財閥『月極エンタープライズ』のお嬢様・月極蘭子が主人公。彼女が母親の仇を打つべく、裏の仕事であるスナイパーとして敵対組織と戦っていくというのが大まかなストーリーです。




 
昼は普通の女子高生、夜はバイオリン片手にヒットマン、そして月極立体駐車場に一人暮らしという謎経歴なお嬢様の月極蘭子。友達は萌子と希良々の2人。
ちなみにゲーム内では声優の内田真礼さんが蘭子とその他もう一人合わせて一人四役担当していたそうで、普通に聞く分では同一人物とは思えなかった・・


 
敵対組織の悪役の皆さん。個性的でアクの強い面々ばかりですが声は一括して声優の鈴村健一さんが担当で、なんと一人七役wこっちは逆にかなり無理矢理声変えてんなと思うキャラもいて笑いが込み上げた。





最初の方こそ親の仇を討つべく夜な夜な暗殺稼業に身を置いている蘭子の活躍とかを垣間見る事が出来るんですが、ただ本作はある程度進んでくるとちょっとおかしな方向に流れが変わって行くんですよねぇコレがまた^^;

端的に言えばぶっ飛びな展開が立て続けに起こるわけでして、それらを順を追って挙げますと『敵対組織の軍団がいきなりゾンビになったりもすれば、蘭子の友達の萌子と萌子の兄貴は変身する正義のヒーローとなって蘭子に加勢し、もう一人の友達の希良々は唐突に巨大なドラゴンに変身。そしてその後何故か時代は50年後にまで遡り、最後は謎のマスクマンと対決する・・・』と言った感じ。

 
 
 

本当にこんな感じで進行するので、もう訳が分かりません




あまりの超展開に蘭子も唖然。プレイしてた自分も唖然・・・


・・まあ何でこうも変な事ばかりが起きるのかは終盤で何となく分かりますし、それも分かったら分かったで鼻で笑っちゃうようなレベルで人によってはくだらないと写るかもしれませんね。さんざん混乱させときながらもちょっと呆気ないから憤る人もいるかもしれませんが・・--;





でもゲームプレイ自体に関しては混乱などは無く、こちらは操作方法も非常に簡単で分かり易いものがありました。体力とか時間制限というものも無く、ただ左端から常に追いかけてくる敵に捕まらずに障害物や邪魔をする敵を倒しつつ右端のゴールを目指すと言う横スクロールアクションで、これくらいシンプルならゲームが苦手な人でも大丈夫そうな気がします


 
また『エフェクトアクション』とも銘打たれてる本作は、敵を倒すと多種多様なエフェクトが発生し、それらを利用しながらステージを攻略していくと言った要素も斬新ですね。
エフェクトは変化して敵を倒す武器になるものもあれば勢い良くバウンドしたりするもの、足場に利用したりするものもあったりとこれまた様々で、蘭子の走るタイミングと良く合わせながら敵を倒してたくさんエフェクトを発生させ、そのエフェクトでまた次の敵を倒して・・・といった流れをテンポ良く継続させていくと、蘭子の疾走感と相まってかなり爽快感もあるしビジュアルもカッコいいものになっていく。普通にステージをクリアする分には確かに簡単なんですが、このエフェクトアクションを活用する事によってただゴールを目指すだけではない奥深さみたいなのが生まれて来るのも個人的には楽しかったです。


ただ、一部ですがゲームの方も進めて行くとちょっとおかしな方向になり・・



横スクロールアクションが何故かシューティングゲームにもなれば・・



巨大なポメラニアンにも襲われ・・



ラスボス戦に到ってはどう言う訳か昔懐かしな画面になってマスク剥ぎ取りデスマッチ!
工エエェェ(゚д゚)ェェエエ工

悪ふざけな内容もここまで来ちゃうともはやシュールですね・・



・・とまあ自分で書いてても今回は随分変なレビューになっちゃったなーなんて思うわけですが、『月極蘭子のいちばん長い日』はホント一言で言えば『変な作品』でしたね。良くも悪くも奇天烈過ぎて、キャラクターのインパクトや勢いの凄さに思わず笑ってしまう場面も多い反面、理解出来ずに『なんじゃこりゃ?』と意味不明なまま終わってしまい違和感ばかりが残るというのも無きにしも非ずなため、万人受けとかは絶対しないでしょうね~アニメーションにしてもタッチがコロコロ変わるから、コザキさんのイラストに釣られて・・・みたいな感じで購入しちゃうと相当後悔もすると思うw
もし『SHORT PEACE』の4作品と一緒に劇場公開でもされていましたならば、酷評の嵐を浴びてたのは本作だったかもしれません・・(汗

ただ『SHORT PEACE』が各クリエーター達の独創性やセンス・技術などが結集した作品である点を踏まえれば、月極蘭子もまた須田さんと片岡さんのゲームクリエーターとしてのセンスが詰まってる作品であるのかもしれないですね。須田さんの手掛けた作品が変てこだってのも今に始まった事じゃないわけですし、ステージに出て来た巨大ポメラニアンとかも『TOKYO JUNGLE』からの特別出演と言った感じでしょうか^^;


一応やり込み要素もあることですし、スルメみたいに何度もプレイしていれば、その内自分もこの奇天烈さが癖になって面白さも分かってくる・・のかもしれませんね?





オチは酷いけどねw

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あはは

これ気になっていたんですが、そうですか(笑)
是非アニメで見てみたいと思っていたのだけど、ゲームでこんなかんじでは買うまでもなさそうかな?

『SHORT PEACE』は、そういえば昨年感想をアップするのを忘れていた映画でもあるのだけど、アカデミー賞短編アニメに『九十九』がノミネートされたりして嬉しく思っていました。
『武器をさらば』も好みだったけれど、一番気に入ったのが『九十九』だったしね。

そうですか、そうですか(笑)

凄く変です

>たいむさん♪

そうですね、ズバリ言うと買うまでもないと思います(笑)
月極蘭子は劇場公開の『SHORT PEACE』とセットになったいわゆる『ハイブリッドディスク』として販売されているのですが、たいむさんのように劇場作品を鑑賞してて最後の作品も気になって・・・というような思いで6000円相当消費するとなると、かな~り割に合わない内容なんじゃないかとも思います--;自分は劇場版未見でしたので劇場版のブルーレイを購入したと思えばあまり損な気持ちにもならないですけど、それでも世間の評価は凄いズタボロで、なんでこんな抱き合わせにしちゃったんだろうなんて事も思ってます・・(汗
まあ自分の記事は少し端折ってる部分はありますが、大体こんな感じの変な作品なので、それだけ覚えて頂ければ充分だと思いますw

そうそう、そういえば『九十九』が短編アニメ部門にノミネートされてましたよね。九十九は短いながらもCGのビジュアル等が良かったので、アカデミー賞でもそういう部分が評価されて欲しいですね♪

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