ワールド・ウォー Z

【監督】マーク・フォスター
【出演】ブラッド・ピット/ミレイユ・イーノス/ファナ・モコエナ/ジェームズ・バッジデール/ダニエラ・ケルテス/マシュー・フォックス
【公開日】2013年 8月10日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
中国僻地で発生した謎のウィルスが爆発的に全世界へと拡大。このままでは世界は90日以内に滅亡する。全人類を絶滅へと導くウィルスの感染を防ぐため、元国連調査官のジェリーは愛する家族と離れ、世界を駆け回る。しかしすでに政府と軍隊は崩壊、感染の速度は加速し続けていた・・・。
実は『マネーボール』からずっと未見が続いているため、自分にとってはかなり久しぶりなブラッド・ピット出演作品^^;それも観る目的の1つでしたが、本作の驚愕映像が圧倒的過ぎてそれに食指が動かされたと言うのも本音ですねwゾンビ映画にしましてもご無沙汰ですから恐怖映像で涼みたかったってのもありますけど、それでもこれはまるっとゾンビ映画って感じでは無かったかな?・・ただまあウィルス感染の恐怖を描くパンデミック作品として観てもそれはそれでまた楽しめた事に変わりは無かったのも然りです。
心臓に悪いようなビクッとするとこもあれば思わずぎょえー!と叫びたくもなってしまう鳥肌モノなとこもあったりする本作は、不安や恐怖を掻き立てるドキドキなシーンの見せ方が結構上手く、始まりも凄く平穏な日常の様子からなのですが、車の渋滞時に後方の爆発→暴走トラック→そして一気に大混乱と、パニックの度合いが徐々に強まり迫ってくるかのような冒頭は個人的には秀逸で掴みもオッケーだった。そしてそこから謎のウィルスによってゾンビのようになった感染者たちが襲ってくる光景にしても地獄絵図と言っていいくらいの惨状。自分はゾンビ映画をそれほど観てないからなんでしょうか、本作のゾンビたちにもただただ仰天で、噛まれたら感染は早く、Bダッシュしてるみたいな全力疾走、何よりまったくもー!ってくらいの数でもってゴバゴバ押し寄せてくる様は怖さよりもどこか気持ち悪さの方が勝っていたかもしれない。けど人柱状態になって壁をよじ登ってきたり雪崩みたいに押し寄せてくる場面も嫌悪感を抱きかねないくらいの衝撃さがあるものの、その映像に魅了されたのもまた事実なので、津波ゾンビ郡の猛威はやはり本作を鑑賞する価値を充分上げてくれている気もしますね。
あと後半は趣が少し変わり、ウィルスの感染を免れる方法を模索し解明していく『アウトブレイク』のような方向にシフトする謎解きのような一面もあれば、ゾンビとも限定空間内でのバトルなどが展開されたりと、前半とはまた違ったシチュエーションで恐怖を煽ってくれてますね。感染を防ぐ策にしてもなんか意外性があるというか、ウィルスにはワクチンという考えとは異なる発想で斬新でもありましたし、WHO施設内のゾンビてんこ盛り棟に入って目的の場所までゾンビ(敵)に見つからず行くといった部分も自分にはどこかゲーム的で面白い見方も出来た気がする^^;
それによくよく考えてもみれば死んだ後に蘇ってるってわけじゃなかったですし、噛まれて感染して『ゾンビのように凶暴化してしまう』という部分を踏まえれば、本作はバイオハザードのような作風に見えてしまいますね。街を覆い尽くすほどの膨大な感染者達も『バイオハザード6』に近いものがあったな~と、途中からなんかゲーム脳な視点にも切り替わっていたのでしたw
そいえば本作はマーク・フォスター監督がメガホンを取っていましたが、007でアクション作デヴューしたと思ったら今度はパニック作品にも新境地を開いちゃったんでしょうか?感動的なヒューマン作品を手掛けたりするのが上手い印象もありましたけど、ひょっとしたらあんまりジャンルの型に嵌らないマルチな人なのかもしれない。マーク監督の作品は『君のためなら千回でも』以外は一応鑑賞してて、自分にしては珍しく取りこぼしも少なく、また本作も個人的にはエンタメとして好みな内容だったので、ブラピと共に彼の代表作の1つとして印象に残るような気がします。