【監督】トビアス・リンホルム
【出演】ヨハン・フィリップ・アスベック/ソーレン・マリン/ダール・サリム
【公開日】未公開
【レンタル日】2013年 4月26日
【製作】デンマーク

【ストーリー】
あと数日で家族に会える。長い航海が終わりに近づき、下船の日を待ちわびる料理人ミケルを載せた商船が、インド洋沖で突然海賊にジャックされた。ミケルと仲間たちは狭い船内に軟禁され、常に海賊たちから銃口を向けられる状況に陥ってしまう。一方、彼らが所属するデンマークの船舶会社では、「海賊に乗り込まれる」との連絡を最後に、船との通信が途絶えていた。自社の船舶がジャックされたと知った経営者のペーターは、乗組員の命を他人に預けることはできないと、自らが海賊と交渉することを決断するのだが・・・。
【コメント】
いつも借りてるゲオで未公開棚のオススメ1本に指定されていたので借りた次第。レンタル店の評価というのも案外馬鹿に出来ない所がありまして、自分も鑑賞の目安にしてる部分もあるだけに本作も確かにオススメするだけはある内容だった。でもこれは面白いうと言うより個人的には強烈な印象のようなものを残す作品でしたね。

直球なタイトル通りのストーリーではあるものの、そのジャックされた船内で派手なアクションとかが繰り広げられるわけではなく、実際は乗っ取ったソマリア海賊と船を所有する会社の社長との身代金を巡る交渉劇、そして船員達と海賊達との張り詰めた心理劇がメインとなっており、観て思う所としては少しばかり地味だったというのが第一印象^^;交渉シーンも一室内で粛々と事が進むといった感じで盛り上がる様もそれほど無かったですし、ジャックされた船内にしても船員が海賊達の隙を見ていざ反撃・・みたいな面白くなるような事をするわけでもないので、正直エンタメ性も僅かながら期待していた自分としてはそこが薄くてちょっと残念でもありました。

・・ただ本作はこのエンタメ性云々を薄くしたのが良かったんでしょうか、観てると『リアル』な面にこだわっていると言うのも感じ取れるようになってくるんですよねぇ。インド洋沖ではこうした海賊達による船を占拠して身代金や輸送品を強奪する事件は珍しくないらしいですし、本作の出て来る船も実際にジャックされたものを使用してるというのですから、結構細かいとこまで考察して作ってる辺りが垣間見えて好感を持てたといったところっ。
また交渉にしても船内の極限状態にしても、映画のような魅せる演出をなるべく取り除いたり素人のキャスティングも多用することで生々しさや過酷さが確かに表現できているように思えましたし、特に4ヵ月半に及ぶ長期間もの間船で缶詰状態にされてた船員たちの緊張感や圧迫感たるはなかなかのもの。海賊達が乗り込んできた事によって一気に不当な扱いを受け、それによって環境も劣悪なものともなってしまいますから、それもどこか心理的な不快感や嫌悪感のようなものを与えるんですよねぇ(壁際で用を足せとか)。海賊達と船員の時折のコミュニケーションも妙に微笑ましいシーンがあって要所で和ませてはくれるものの、それもよく見ると馬鹿騒ぎしてる傍らで呆れてしまっている船長や誕生日を勢いとはいえ海賊と一緒に祝ってもらうミケルの釈然としない表情などを見ると、その微笑ましさもまた偽りで仮初めのものだと感じずにはいられなくて、観てる方としても複雑な気持ちになってしまいますね。


まあ当初こそ自分は上記のようなお門違いな要素があればと思ってはいましたが、大(船内)と小(社内一室)の密室で繰り広げられる海賊との攻防はノンフィクションさながらのリアルさを再現してるようでもあって、結果的には見応えがあって良かったと思いますっ。
それに本作は終盤で全てが終わりかけて万事解決♪・・と思った矢先に起きる出来事もかなり衝撃的で、あれは自分も呆然とするほか無かった(汗)。海賊達との船上での暮らしはああいったほんの些細なことで取り返しの付かない一触即発の事態に陥っていたのだと言うことも再確認させてくれましたけど、しかしながらその結末は何ともやり切れずそして重苦しい終わり方ともなってしまった本作・・。ですが逆にそれが返ってこの作品を強く印象付けたような気もしますね。
死と隣り合わせの127日間。ソマリア沖で多発している海賊事件を元にしたデンマーク映画です。 あと数日で家族に会える――。デンマークの商船会社の所有する船が、インド洋沖で武装
「偽りなき者」の脚本を手がけたデンマークの気鋭トビアス・リンホルムがメガホンを取り、身代金目的の海賊にシージャックされたデンマーク商船の運命をリアルに描いた心理サスペン...

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こんばんは

地味ですが見ごたえのある作品だったと思います
私もゲオの棚で「あれチェック外で観た事のない作品がならんでる~」と早々に借りてみちゃったのですが、
これがなかなか緊迫感に溢れる作品でびっくりしました
リアリティのある緊張感というのか、結局会社にとって人命とはいえ船は「もの」の1つなのだと思わせられ、悲劇的なラストもミケルと同じでまさに呆然と言う感じでした
またリアル海賊業も楽じゃないってこともわかりました^;

個人的に良作でした♪

>makiさん♪

自分も本作は借りて正解でしたね。この作品のオススメと一緒に『テール しっぽの生えた美女』というこれまたそそられる作品もあったのですが、こっちも全然損は無かったですし、静かに展開される物語の中に思わず見入ってしまうほどの緊張感が張り詰めてもいたので、全く飽きなかったですね。

でも海賊に屈しない強固な態度を取るのが重要とはいえ、結末があれではやはりやり切れないものもありますよね・・。社長としては本当に船員全員を早々に救出したかったとは思いますが、潤沢(?)ではない会社の懐事情の板挟みにもあってたのか思うように進まない交渉にはちょっとイライラ。

・・ただおそらく現実でもああいう対応が繰り広げられているんでしょうねぇ?そう思うと海賊と鉢合わせする船員はなんか報われません(汗

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