ボーン・レガシー

【監督】トニー・ギルロイ
【出演】ジェレミー・レナー/レイチェル・ワイズ/エドワード・ノートン/アルバート・フィニー/ジョアン・アレン/デビッド・ストラザーン/スコット・グレン/
【公開日】2012年 9月28日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
CIAの極秘プログラム“トレッドストーン計画”によって生み出された最強の暗殺者、ジェイソン・ボーンがロンドンで新聞記者に接触しようとしていた頃。ボーンと内部調査局のパメラ・ランディの告発によって計画が明るみに出ることを恐れたCIA本部では、国家調査研究所のリック・バイヤーが証拠隠滅のために全プログラムの抹消を命じる。一方アラスカのCIA訓練地では、“アウトカム計画”によって生み出された暗殺者、アーロン・クロスが訓練を積んでいた。薬の服用を義務づけられていた彼は、相次ぐ予定変更によって自分の身に迫る危険を察知する。一方、彼の体調を管理しているステリシン・モルランタ社では、突然職員が銃を乱射。居合わせたマルタ・シェアリング博士は九死に一生を得るが、研究所で行なっていたことに事件の原因があると知っていた彼女に、再び危機が迫る・・・。
そいえば4年ちょっと前の『ボーン・アルティメイタム』が公開された時、記事上でシリーズのストーリーの幅を広げた続編が出るかも?なんて冗談半分な予想をしてましたけども、まさか本当にその類が出るとは思いませんでしたねぇ・・。ジェイソン・ボーンが活躍する前3部作は個人的に良く出来たストーリーで終わり方も想像力を掻き立ててくれましたし、あれで終わっても問題無かっただけに、実は同時進行である計画が進んでいたという内容はなんか掘り下げてる感もあり、好きなシリーズなれどどこか手放しで喜べない部分もあった・・。そんな怪訝な気持ちもあったせいか、やっぱりイマイチな印象を抱いてしまった作品でもありましたね、この『ボーン・レガシー』はっ^^;
自分の思い込みなんかもそのイマイチに起因してはいるので全部が全部作品のせいとも言えないのですが、それでもマット・デイモン主演の『ジェイソン・ボーンシリーズ』と同じ時系列で並行して動いていたもう一人の暗殺者の物語という事となれば、やっぱり自然と今回の主人公であるアーロンにもハードなアクションや追っ手とのチェイスなどがふんだんに盛り込まれていると思い込んでだけに、冒頭から前半に掛けてのびっくりするぐらいな『緩さ』にはあくびが出てしまったのも正直な所なんですよねぇ・・。アーロンの雪山での訓練は理解するまで『何してるの?』とどこか曖昧な感じでしたし、CIAが計画を抹消すべく関係者を一掃する過程も前シリーズの映像と連動させてる分、それが余計に長ったらしくも感じてしまったほど。と言いますか、せっかくリンクしてるのならばそこにジェイソンを少しでも映してくれたらどれだけ嬉しかったことやら。むしろリンクして理解出来たことは、やたら工作員のの育成計画を進行してたせいで、いざ計画が狂ってしまうと修正が困難になってしまっているCIAの無能さが露呈してるようで、ひどく滑稽にも見えてしまいましたねぇ。観ててやる気あるのかな?とも言いたかったくらいです(・・逆を考えると単にボーンとアーロンが凄過ぎるだけとも言えますが・・(´▽`;))。
でも最初こそ個人的に耐えるような鑑賞を強いられてはいましたが、マルタと合流してからのアーロンの凄まじい戦闘力が披露されると、それまでの緩さが圧巻と興奮に変わり、ノンスットプな逃亡劇とも相まってそこからグッと見応えも上がってはきましたね。人間離れした身体能力や偽造パスモートも即席で作っちゃう技術力と、CIAの追っ手も難なく振り切ってしまうその能力の高さはボーンと比べても見劣りしないほどの強さで、クライマックスのスピード感溢れるバイクチェイスもシリーズのお約束を踏襲してるようでこれもまた迫力満点♪・・・ではあったのですが、良くも悪くもチェイスのみに徹したのが駄目だったのか、ここも山場がちょっと拍子抜けと言うかあっさりめだったかなぁと?せめて超絶な暗殺者同士の能力を駆使した全力のぶつかり合いみたいなのがあれば良かったんですけどね~。おかげでNO.3の凄さも殆ど伝わらなくて、ラークス計画って本当にトレッドストーンやアウトカムより優れているのかと疑問に思ってしまいました(汗
・・まあアーロンの人間兵器っぷりは確かに凄かったのですけど、こと彼のアクションシーンなどにおいては自分が想像したような、もしくはそれに近い展開を望む事ならずで、あまり満足感を得られなかった本作。あとジェイソンのような自分探しとは異なり、アーロンは薬欲しさのシンプルな逃亡劇でもあったので、スピンオフ的な作品として変に続かずここで留めておいてもいいような気はするのですが、最後のパメラの一件やラークス計画の事をうやむやにしない意味でもまだ先があるのかなと思うと、今度はやっぱり『不安』の方が大きいかもしれませんねぇ?せめてジェイソンがまた帰って来てくれれば嬉しいのですが・・^^;