スパイダーマン スパイダーバース

【監督】ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン
【声の出演】シャメイク・ムーア/ジェイク・ジョンソン/ヘイリー・スタインフェルド/ニコラス・ケイジ/キミコ・グレン/ジョン・モラニー/リーブ・シュレイバー/マハーシャラ・アリ/ブライアン・タイリー・ヘンリー/他
【公開日】2019年3月8日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ニューヨーク・ブルックリンに住むマイルス・モラレスは、頭脳明晰で名門私立高に通う中学生。彼はスパイダーマンだ。しかし、その力を未だ上手くコントロール出来ずにいた。そんなある日、何者かにより時空が歪められる大事故が起こる。その天地を揺るがす激しい衝撃により歪められた時空から集められたのは、全く異なる次元=ユニバースで活躍する様々なスパイダーマン達だった・・・。
今年2月に行われた第91回アカデミー賞長編アニメーション部門において、難攻不落であったディズニー作品の牙城を崩し見事マーベル作品初受賞を成し遂げた本作。リアルタイムでの授賞式こそ見逃しましたがツイッターの情報などから自分もその快挙をいち早く知る事が出来ましたので、その時の興奮は今もまだ記憶に新しい所ではありますね。そんな立派な『箔』も付いたことで期待値もかなり上がっていたのですが、個人的には期待以上でディズニーを抑えての受賞も納得できた次第です♪
原作コミックの方こそ未読ではあるものの、自分は2018年にゲームソフトとして発売された『Marvel's Spider-Man』をプレイしていたせいか、主人公のマイルス・モラレスや悪役であるキングピンことフィスクの存在諸々はある程度知っていたので、そのマイルスが二代目スパイダーマンであったりとかピーターが主人公じゃないみたいな部分も然程違和感は抱かなくて、かなりの解釈で描かれてる本作にも割とすんなり入り込めましたね。・・・まあそれでも大胆な設定である事には変わりはないけど、多次元宇宙から様々なスパイダーマン達がマイルスのいる世界線に集結するっていうのはやはりとても面白かったですね♪中年太りの元祖スパイダーマンにしなやかな女スパイダーマン、ハードボイルドなスパイダーマン、未来の女の子&メカスパイダーマン、そして豚のスパイダーマン(笑)となんとも愉快な面子でしたし、スパイダーハムやペニー・パーカーの操るメカなんかは正直スパイダーマンと呼ぶには・・・な感じでもあったりはしたんですが、それでも他のみんなと一緒にNYの街並をスウィングするカッコ良さなどは間違いなくスパイダーマンなんですよねぇ^^チームを組んで悪党の野望を阻止する感じも日本の戦隊モノみたいだったから、この辺も自分好みだったかなと♪
そういった五人のスパイダーマンたちの活躍に一際目も行きがちではありますが、本作の主人公であるマイルスの物語も非常に見応えアリで、期せずして二代目スパイダーマンとしての使命を託された少年がヒーローとしての自覚や成長を遂げていく過程は実写映画版に通じてる部分が沢山ありましたし、その実写での思い出深い名場面なども取り入れてる部分が幾つかあったので、そういうオマージュ的な雰囲気が感じ取れたのもとても良かった。マイルスの叔父のアーロンもなんかサム・ライミ版のノーマンとベンおじさんを混ぜ込んだような印象的なキャラで、大切な人の死の悲しみを乗り越えてスパイダーマンとして覚醒していく後半が個人的には特に好きでしたねぇ^^
・・とまあ個性豊かなスパイダーマン達が縦横無尽に魅せるアクションもカッコ良かったですし、そのカッコ良いビジュアルを可能にしていたCGと手描きを融合させたアニメーションとやらもセリフや吹き出しを効果的に盛り込んでいたから、まるでコミックそのものが動いてるような演出が凄い斬新だった♪自分はこういったアニメーションをおそらく観た事が無いと思うので、終始そのスタイリッシュな映像を楽しめましたし、二代目スパイダーマン・マイルスの成長物語もファンのみならず初見の人もここから上手く取り込めるような感じで素晴らしかったですね。